やっと入学式が終わり、また吹奏楽部の演奏で退場した。



教室に戻ると先生が教科書を配っていた。



「配った教科書には、全部名前を書いてね。」



そう言われ、ネームペンを出して書いていると、



「終わったら、ペン貸して。」



突然言われ、びっくりしてしまった私は



「えっ、いいよ。」



といい、一言付け加えた。



「あっ、でもインク出ないかも…。」



いいよのあとの言葉が聞こえなかったらしく、



「あぁ?なんか言った?」



と少しキレぎみに言われたので、私は怖くて



「いえ、なんでもないです。」



と、つい敬語で答えてしまった。



第一印象が悪く、まさか好きになるとはこの時思いもしなかった。