“どうか闇の国を忘れ、なかった事にして下さい。闇の力を、悪用しないで下さい。”




それ以降、闇の力はどう使われたのか誰にも分からない。


“闇の国”はおとぎ話の中だけの存在となり、


今では誰も“闇の国”そのものの名前すら忘れている。


国は再び発展を遂げ、人々の笑顔が咲き乱れる場所となっている。


だが、天使は知らなかった。


隠したはずの“闇の国”から逃げ出した、


幼い子供が“闇の国”の存在を再び人々の記憶から思い出させてしまったこと。


幼い子供が逃げ出したことで、隠していた“闇の国”が人々の目に映り始めてしまったこと。





全ては、幼い子供の存在から始まってしまったこと。