日向が私の手を止めた。











ドキッ











日向につかまれた手がどんどん熱くなる。











「…昨日は…ごめん」











「うん…」











「彼氏…いるのに」











…――えっ



日向の言葉に耳を疑った。









「部室で……見たんだ…」











山下君とのキス、

見られてた!?











あたふたする私。




「ちが…っ」



「えっ…?」











違うよ…っ

彼氏なんかじゃ…

ないのに…











目の前にはきょとんとしている日向。












沈黙の中、自分の心臓の音が聞こえてるんじゃないかと心配になった。














「千幸…?」











名前を呼ばれて、はっとした私は顔を上げた。


日向と目が合う。











とくん…とくん……











…ずっと…

伝えたかった…

この言葉を…伝えたら

私から日向はいなくなっちゃう?













でも…伝えなきゃ…

誤解されたままなんて

…嫌












意を決した私は日向をじっとみた。
















「…私…は……」