千幸は学校に来なかった。
熱、引かなかったのかもしれない。
「おい、日向」
「あ?」
「お前と千幸ちゃん、文化祭実行委員に決定★」
爽やかな笑顔で凌は言った。
「…はぁ〜っ!?」
伏せた顔を上げて黒板を見ると…
『文化祭実行委員
*早川日向
*綾瀬千幸』
と書いてある。
「なんで俺と千幸なんだよっ」
「誰もなりたくなくって
日向は寝てたし、千幸ちゃんは学校休みだからさ♪」
「ムリ!!」
「なんで?」
「ムリなものはムリ!!」
「千幸ちゃんと仲良いだろ?」
「…だけど…」
「一緒じゃ嫌な理由でもあるわけ?」
鋭い凌。
「……ないです…(泣)」
凌はまた笑っていた。
『文化祭実行委員』は
まぁ…雑用のようなものでいろいろと忙しい。
でも、今は…気まずいし!!
…顔、あわせらんね―…
その日は部活がなかったので、とぼとぼと1人で歩いて帰った。