「…可愛くて、愛しくて…どうしようもないぐらい好きで…」
ポタッ…ポタッ…
俺の目からは、出したくもないのに涙が溢れてく。
吉川はそれでもじっと俺を見ていた。
「……ずっと…待ってるつもりだけど…、…会いたい…」
…─ポタッ…
「…会いたいんだっ…千幸に…っ…!」
その時、風が勢いよくドアから教室に入ってきて、窓ガラスがかたかたと震えた。
…─え…
ドア…開けてなかった…はずじゃ…
「日向」
俺は涙も拭かず、ゆっくりと風が入ってきたドアの方を見た。
まるで…スローモーションのように。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…