俺はまた話始めた。



思い出を掘り起こして、1つ1つ、並べていくように。



「綾瀬千幸って言って…

家が隣同士で…物心ついた時はもう千幸でいっぱいになってた」




吉川は真剣な顔をして、黙って聞いていた。





「…大好きで…大好きで……」



──……


『日向─っ』


──……




「いつも日向って俺のことを呼んで…」


「素直じゃ…なくて…、」


「けどなぜか…可愛くて…」







ポタッ…








「先生…?」