「七年間、連絡も取っていなくて…、今何しているのかわからない」



「……先生」



吉川がすっと顔をあげて、見たこともないような凛とした顔をした。



「先生は…本当にその人が好きなんですね…」




「あぁ…」




俺は吉川の顔を見れなくなった。




「私…」



「…ん?」



「私、先生のこと、好きです。」



「……」



俺は何も言えず、口を閉じてしまった。




「けれど…負けました…」



「…っえ…」



「その人に…」




吉川は涙を溜めた目を細めて笑った。