「あぁ…これ?」 「……」 吉川はゆっくりと手を俺の首から引き、こくりとうなずいた。 俺はチェーンを外し、指輪を吉川に見せた。 「…指輪だよ…、」 「…ぇ…?」 吉川は驚いていた。 「先生、結婚してるんですか…?」 「いや…結婚はしてないよ」 俺はまたチェーンに指輪を通し、首にかけた。 「じゃあ…なんで……」 吉川の目の黒い所が左右に揺れていた。