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放課後。
俺は演習室の扉を開いた。
そこには吉川がイスに座っていた。
「じゃぁ始めようか」
「はい」
カリカリ…とシャープペンがノートの上を走る。
黙々と、問題を解いていく吉川。
じっと、それを見ていると、吉川はふと、シャープペンを動かすのを止めた。
「どうした?ここが解らないのか?」
俺がひょいっとノートをのぞきこもうとしたその時、吉川が俺の首に片手を添えた。
「…吉川?」
「…れ…」
「…え?」
「…これ…なんですか?」
吉川が食い入るように見ているもの、──それは、あの指輪を通したチェーンだった。