────…… ──… 翌日。 「千幸─、飛行機のチケットとった?」 「うん…!」 私は今日、日本を発つ。 ガチャ…─ッ いつも軽い玄関の扉がやけに重くて、びっくりした。 自分の家をじっとみる。 …─もう、帰ってこれないかもしれない…。 そう思うと、やっぱり押さえていた涙が溢れだした。 「千幸…、」 お母さんは私の背中をさすってくれた。 お母さん…、 こんな体で生まれてきて、本当にごめんね。