千幸の涙をぬぐいながら、俺は言った。 「…いってらっしゃい」 そう言うと、千幸はニコッと笑った。 俺と千幸は涙でぐちゃぐちゃになった顔のまま、笑いあった。 …千幸。 俺は、ずっと待つよ。 十年、二十年、先だとしても… 俺は、千幸を待ち続ける。 そして 千幸を愛し続ける。