「はいっ」


俺は体を起こして、千幸から紙コップを受け取った。


「ありがと…」


一口飲むと、暖かくて甘いココアだった。



千幸は俺の隣にちょこんと座って、俺をじっと見ている。




「はぁ…ありがとう、千幸」


俺が笑顔を見せると、千幸もみるみるうちに、笑顔になって、


「良かった♪」



と、言った。









キュン…ッ









俺は、こんなに幸せでいいのかな…。




例え…千幸が病気でも。

ただそばにいることだけが嬉しくて。




例え…千幸が短い命だとしても。

今、この瞬間、千幸の瞳に俺がうつってることが夢のようで。







けれど…、

千幸がいなくなると…








その幸せは、はかなく崩れ去ってしまうんだ。









だから、言うよ?








「千幸…、アメリカ行っておいで…?」