まるでスローモーションかのようにゆっくりと私は起き上がった。
「…日向……」
そこにはやはり、日向がいた。
何を話してよいのかわからずに、私はずっと黙りこくっていた。
じっと日向と目をあわせているだけ…。
「千幸、ごめん」
「へ?」
突然謝られてびっくりする私。
「勝手にイライラして…ごめんな…?」
「…ううん…、私もごめんね…」
私が少し視線を下げると、日向がゆっくり近づいてきた。
ぎゅ…っ
「…ごめんな…」
抱きしめられていつも思う。
日向は暖かくて優しいって。
けど、なぜか寂しくなるんだ。
日向が私を抱きしめる力が強ければ強いほど、つらくて。
涙が止まらなくなっちゃうよ。