「千幸、買ってきたわよ♪」 お母さんが雑貨屋の袋を持って病室に入ってきた。 「ありがとー♪」 ガサガサと袋を開けると、白の毛糸と編み棒が入っていた。 「突然、編み物したいって言うんだもの…びっくりしたわ」 そう言ってお母さんは笑った。 「ごめんね」 私は早速、編み物を始めた。 「じゃぁ、洗濯に行ってくるからね」 「はーい」 お母さんは病室から出ていった。 「…よしっ」 私は気合いをいれて取りかかった。