「気持ちいいね…♪」
「だな―…」
病室の中庭の大きな木の下にもたれかかれながら、日向と空を見た。
もちろん、手は繋いだまま。
「千幸、口開いてるぞ」
と、日向が意地悪な声で言う。
「へ!?…ぅわっ//」
あわてて口を閉じた私をみて、日向は爆笑している。
「…〜っ//」
恥ずかし〜っ
口閉じとかなきゃ…←
「日向、」
「ん?」
「…なんでもない♪」
「はぁ?」
苦笑しながら私の目を見る日向。
なんでもない…
なんでもないんだけどね…、
こうして手を繋いでいても
笑いあっていても
無性に不安でいっぱいになるんだ…。
私はこのまま消えちゃうんじゃないかとか。
今日で日向といれるのも最後かもとか。
だから、今この瞬間を大切にしたいんだ。
少しでも日向と楽しい思い出残したいもん…。