「お母さん、もうすぐ退院だよね?」 私はお母さんにせがむように言った。 「……千幸…」 「…ん?」 「退院は…もぅ少しあとになったわ」 「え…」 「検査が…ね、まだ終わってなくって…」 お母さんは私の目をみて話さない。 「お母さん…?」 「…なに?」 「うそついてるの…、ばればれだよ?」 「えっ…」 お母さんの目が潤み始め、うそついてることがはっきりわかった。 「…どのくらい…長くなるの?…入院」