『あぁっ…大丈夫ですっ』 我にかえった私は声が裏返ってしまった。 『よかった…じゃぁ俺急いでるからまたねっ』 そぅ言って早川君は走っていってしまった。 私はその後ろ姿をみえなくなるまで見ていた。 とくん…っ …とくん…っ その日から私は早川君しか見てこなかった。 一年生の時も 二年生の時も…。 けど、早川君は16年間千幸ちゃんだけを見ていたね…。 今までもこれからも… 私が入る隙間なんてないんだ。