「綾瀬千幸さんのお母さんと…?」
「早川日向です
千幸とは仲良くしてます」
先生は「わかりました」と静かに言うと、話し出した。
「単刀直入に言います
千幸さんの心臓は…
もって後、半年でしょう」
しん…っと診察室が静まり返った。
…え?
半年って…
…イコール
千幸の…生きてる…期間?
ガタッ
「ふざけんなっ!!」
俺は先生の襟をつかみ殴ろうとした。
が…、それを千幸のお母さんが止めた。
「日向くん」
その目はとても強かった。
なんというか…有無も言わせない…凛とした目だった。
俺は仕方なくすとんっとイスに座った。
「千幸さんを助ける手段は…
ただひとつ」
先生が俺の目をじっと見ていった。
「…心臓移植です」