「あれ…早川君?」
南はほうきを持って受付まで戻ってくると日向がいないことにきづいた。
「…はぁ…嫌われちゃったよね…」
独り言を言いながら花瓶を1人で片付け始めた。
――――……
「はぁ…はぁ…っ」
俺が着いた先は病院。
千幸の病室までダッシュで行くと、千幸のお母さんがいた。
「日向くん…」
「千幸…千幸はっ!?」
焦る俺をよそに千幸のお母さんは俺の目を見て、静かに言った。
「日向くん…一緒に先生のとこまで行って、話きいてくれないかな?」
「え…」
「千幸の今後のことだから…」
千幸のお母さんの顔からいつもの明るさが消えていた。
どことなく泣きそうで…
どことなく切なそうで…
もろく壊れてしまいそうだった。
「わかりました」
「じゃぁ…行きましょう」
俺は千幸のお母さんの後をついていった。