――……


『…好き……日向…っ』



そぅ言って塞がれた唇。




『千幸に触れないでくれます?

俺の大切なお姫様なんで』



俺の言った言葉は南を傷つけてしまったに違いない。



―――……




南と横に並んで歩く廊下。



…気まずい




俺が黙っていると南が口を開いた。



「今日、千幸ちゃんは?」



「あぁ…入院した」



「大丈夫?」



「ぅん」



南から『千幸』の名前が出るなんて驚いた。




「失礼します」



職員室に入る俺と南。




職員室には担任がいた。



「おぉ、来たか

今から保護者の受付をしてくれ」




そぅ言って渡されたのはあの時につづっていたプログラムだった。




「頼むぞ―」



担任はひらひらと手をふった。




南は黙ってプログラムを重そうに持ち上げた。




俺も南の後に続く。







体育館の入口までたどり着いた俺と南はプログラムを受付の机の上に置いた。




「クラスごとにわけるね」




「あぁ…」





そぅ言って南はプログラムをわけはじめた。