「千幸…、大丈夫?」




「お母さん…」




部屋に入ってきたのは薬と水の入ったコップを持ったお母さんだった。





「千幸…、お風呂場で倒れて頭ぶつけて大変だったのよ…?」




「ごめんね…、」




「……」




お母さんは私の頭を撫でると、静かに話し出した。






「千幸…よく聞いて?」




「?」




「明後日から入院することになったの…、」




「入院!?」




明後日って……


文化祭…だよ?




「この頃、倒れることが多くなったわよね…?」




お母さんは微笑みながら言った。




「まぁ…ぅん…」




「今日、倒れたのも…のぼせたのもあると思うけど…


心臓…も、検査してもらおっか…♪」




重くならないように

それでもしっかりと

お母さんは私の目を見ながら言った。




「……ぅん…わかった」




「ん……それじゃ…
薬飲んで寝るのよ?」




「…ぅん」




「おやすみ…♪」




「おやすみ」








パタンとドアが閉じる音がした。










ふと、机の上を見ると…ケータイが光っていた。