今まで進展があったらすぐに紫音には報告してたけど、
今回は“付き合った報告”だから、信じられないのは当たり前だと思う。
でも――………
「樹引っ越しちゃうんだって」
「……」
「たぶんだけど、今週くらいに引っ越すかもって」
「……」
「だからあたしに伝えないで後悔するより、伝えて後悔する方がいいって思ったって」
「……」
「ずっと……好き、だったって……」
「もう言わなくていいよ。分かったから」
親友の紫音には分かってほしい。
いつもあたしの味方をしてくれて、あたしのことを1番に考えてくれた。
この前だって、あたしの相談にのれない時があるからって、
大人数でいるのが苦手なくせに、千里たちと友達になった。
紫音は大人数でいるのが苦手なだけで、本当は千里たちと仲良くなりたかったんだと思う。
高校に入ったばっかのとき、あたしは千里たちのグループを見て仲良さそうだなぁって思った。
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