「あ、あのね?」


『うん』


「い、樹がね」


『うん』


「す、すす…」


『は?すす?』



また噛んでしまった…………こんなんじゃ伝えたいことも伝えられない。



なら、いっそのこと。



「樹に好きって言われたの!」



勢いが大事だと思って大きな声でそう言ったあたしに、数秒間紫音は何も言ってくれなかった。



そして数秒経った時、



『は?』



それだけが聞こえた。



「は?って!」


『だって“は?”でしょ。ついに妄想の域越えちゃった?』


「妄想の域って!」



まあ、そりゃあ紫音が信じられないのも分かる。



あたしと紫音がありえないって思ってた事が起きたわけだし、逆にすぐに信じられてもびっくりする。



それにあたしがたまに妄想して、樹と×××したり×××したりしてたから、余計に信じられないんだと思う。



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