「……じゃあ止めてやるよ」
………え?
止めるってどうやって?
すると、樹はあたしをあたしの家の門の前に追いやった。
樹と門に挟まれたあたし。
樹は顔をあたしの顔の位置にくるくらいまで屈んで、そっとあたしに顔を近づけてきて………
え、キス?!
これはもしかしてキス?!
そんなことを考えてるうちに、樹の唇があたしの唇に触れていた。
「んっ……」
1回目のキスより長くて、離れたあともまたすぐに唇が触れた。
目の下の涙を拭き取るように優しく触れる樹の指。
離れては触れる唇。
新しい空気をなかなか吸えなくて、離れたときに口を開けた瞬間、スッと樹の舌が入ってきた。
「ん、んんーっ…」
初めてのことにパニック状態になるあたし。
カシャンと門に樹が触れる音が聞こえて、あたしは樹のキスしか考えられなくなっていた。
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