あたしが小学校中学年のとき、樹のおばあちゃんが樹の家に遊びに来た。
その時あたしは樹と紫音と3人で家の前で遊んでいて、おばあちゃんにこう言われた。
『あんたら3人仲良いねぇ。いつまでもそうやって3人仲良くするんだよ』
その言葉にあたしたちは元気よく『はーい!』と返事したのを覚えてる。
その後は縄跳びやボール遊びを一緒にしてくれた。
今考えると元気なおばあちゃんだったけど、たまに腰を叩いていたかもしれない。
あの頃からあまり体の調子が良くなくて、それからずっと1人で頑張ってきたのかもしれない。
………そんなことを考えたら、だんだん樹が引っ越すことの現実味が出てきた。
でもやっぱり、樹がいなくなるのは………まだ信じたくない。
わがままだって分かってる。
あたしが信じたくないって思っても、どうこうなる話じゃない。
.