「なんだぁ?1人しか連れてこれなかったのかぁ?まったく、お前らはナンパもできんのか」
「あ?うるせぇよ糞じじぃ。ナンパなんてめんどくせぇことしたくねぇんだよ」
「どうせできないんだろ?ま、そんな風貌じゃできるわけないなぁ」
「黙れ。つかいっぺん死ね」
拓海くんはクスクスと笑って、樹は勝手にカウンターに置いてあるマイクが入ってるかごを手にとった。
あたしは………唖然としてた。
ていうか目の前の光景を信じられず、ただ見ているだけしか出来なかった。
赤髪は口が悪いなぁって思ったけど、それに負けないくらいおじいちゃんも口が悪い。
さっき一瞬おじいちゃんが可哀想なんて思ったあたしがバカだった。
この繁華街には………こんな変なお店がたくさんあるのかと思うと、また繁華街に来たくなった。
「で、名前は?」
おじいちゃんが明らかあたしを見てそう言った。
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