樹があたしのことを好きなはずがないから、樹が拓海くんにヤキモチを妬くなんてありえない。



なのに、寂しい気持ちになってしまうのは、やっぱりあたしが樹のことをそれだけ好きだってこと。



今日は本当に嬉しかった。



自転車を探してくれただけだけど、いつもの樹ならありえないことだから尚更嬉しかった。



いつもは冷たいくせに、たまに優しくしてくれる樹。



優しいときなんて滅多にないけど、でもその滅多にない優しさが何倍も優しく感じる。



それはあたしが樹に好意を抱いてるからなのかもしれない。



そうなのかもしれないけど、あたしが好きになっちゃったんだからしょうがない。




………なんて、


そんなことを1人で部屋で考えたら、寂しいはずなのに、顔がにやけてきてしまった。




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