家を出ると、外には樹と紫音が自転車に乗って待ってた。




「奈緒ほんと寝坊多いよね」

「遅ぇよ」




意地悪なあたしの幼なじみ2人は、あたしが出てくるなり、そう口にした。




あたしだって寝坊したくて寝坊してるわけじゃないもん。




ちょっと拗ねながらも、あたしは樹の自転車の荷台に乗った。




そのまま自転車は走りだし、何年ぶりかに3人で一緒に登校することになった。




たぶん一緒に登校するのは、小学校のときぶりだと思う。



またこうして一緒に登校できるなんて思ってなかったけど、今それが現実になって嬉しく思う。




「お前、太った?」


「ふ、太ってないもん」


「何言ってんの。この前1キロ太ったって言ってたじゃん」


「ちょ…っ!それ言わないって約束じゃん紫音!」


「え?あたし知らなーい」


「やっぱ太ったか」




………こんなやり取りが、いつまでも続けばいいなって思う。




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