だけど途中で樹が言った言葉を唯一1つだけ覚えてる……。




それは、今まで1度も樹から聞いたことがない言葉だった。




だからそれだけは鮮明に頭の中に残ってた。




情事の後は樹が優しく抱きしめてくれて、また1つ絆が深まった気がした。




目が合うとなんだか照れ臭くて、あたしが目を逸らすと、樹が頬っぺたにキスをするから、あたしもキスをし返した。




夏休み最後の日は、あたしにとって一生忘れることのできない特別で大切な日になった。





…………それから1ヶ月が経った。




樹は引っ越しや、2回目の編入試験などで忙しくて、結局樹が地元に戻ってきたのは、夏休みから1ヶ月経ったときだった。




編入試験と言っても、元々夏休み明けからは西高に通うことになってる上で、向こうの高校に編入したみたいだから、


特別に面接を受けるだけで、西高にまた通えるようになったらしい。




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