あたしは突然、ソファーの背もたれに樹に片手で肩を押されて寄っ掛からせられた。
え……っ。
何で……?
そう思ってる間に樹の顔が近づいてきて―――……チュッと音をたてて唇が触れた。
唇が離れると、あたしは自分が顔が赤くなってるのが分かってたから、顔を両手で隠した。
あたしはキスされると顔が近いからなんか恥ずかしくて絶対体温が上がるから、
顔が赤くなっちゃう。
「手ぇ邪魔」
「……」
「退かせ」
「……やだ」
「じゃあ、もうキスしねぇ」
樹にそう言われたあたしは、あっさりと両手を退かした。
すると樹は『正直なやつ』と笑って、また唇を重ねてきた。
今度はいつもあたしが溶けちゃう深いキスで………やっぱり終わったころには、ハァハァと息切れしていた。
『キスの後に息切れしてるやつなんてお前しかいねぇよ』
と、息切れするあたしを見て樹はバカにしたように言った。
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