「……可愛いんじゃね」
今度は何を言ってくれるのかと思って期待して期待して樹の言葉を待ってたら、そう言われて――…。
「………」
数秒あたしの思考回路は提出した。
なんだって?
『可愛いんじゃね』だって?
え、あたしに向かって?
か、か、可愛いぃぃ?!
どこが?どの辺が可愛いと思ったの?
何で?どうして?そう思ったきっかけは何で?
可愛いってあの可愛い?
あ、あ、あたしが……?
「奈緒?聞いてんの?」
もちれん聞いてないわけがない。
「可愛いって、あれがだから」
「……あれ?」
「ヤキモチ妬くところ」
樹のその言葉にまたもやあたしは胸がキュンッとした。
まさか可愛いって言ってもらえるなんて。
そんな夢みたいなこと思いもしなかった。
しかもこんな近くに座って聞いちゃった。
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