勇斗は駅の近くの駐車場にバイクを停めたままらしく、


最寄り駅じゃないけど、今日はバイクを取りにあたしと同じ駅まで来たんだ、と。




その日の帰りの電車で言ってたから、きっとそれからバイクで帰ったんだと思う。





……そして、夏休み前日。


1学期前半の高校最後の日。




紫音は1日仕事がなくて、久しぶりに一緒に登校できた。




高校に着き2人で教室へ入ると、真っ先に梨花子があたしに抱きついてきた。




えっ、なに?

梨花子どうしたの?




「奈緒ありがとー!昨日セッティングしてくれたおかげでね、夜電話できたのー!」


「え、修平くんと?!」


「うん!奈緒ほんとにありがとうね」




どうやら梨花子は昨日の雰囲気から察した通り、修平くんと上手くいきそうみたいだ。




そっかそっか。

梨花子の役にたててよかった。




これから先いつか、梨花子と修平くんが上手くいきますようにって、あたしはその場で神様にお願いした。




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