「1人じゃ持っていけないでしょ?」
拓海くんはお茶を持っていくのを手伝いに来てくれて、
自販機の下に置かれてる缶を4個持ってくれた。
「ありがとう」
「いいえ。つーか、8個持ってくるなんて無理に決まってるよね」
「どうやって持っていこうか本気で悩んじゃった」
拓海くんと隣に並んで歩くのは、もしかしたらすごく久しぶりなことかもしれない。
「重くない?もう1個持とうか?」
「ううん、大丈夫だよ」
拓海くんは『そっか』と、少し笑顔で言った。
「拓海くんって、優しいね」
「え?」
「前から思ってたけど、拓海くんってすごく優しいと思う」
こうやってあたしが困ってるのを知ってて、わざわざ来てくれたんだもん。
それに今日だって、あたしと梨花子たちのためにセッティングしてくれた。
「なんか拓海くんって、紳士って感じ」
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