きっと莉加ちゃんだって話したくなかったと思う。




そうなのかは分からないけど、あたしのためにこうして話すことを樹と莉加ちゃんで話し合ってくれたのかもしれない。




もしそうなら、すごく悪いことをしてしまった。

辛いことを……させてしまった。




「あたしバカだった。疑ってたの、2人はあたしの知らないところで……なんて」


「……」


「莉加ちゃんにも話したくないことがあって当たり前なのに、」


「……」


「こうやって……話すことになって、ほんとに辛いことしちゃったよね」




あたしに友達がいて、あたしと友達の間だけの秘密の話があるように、


樹にも友達がいて、樹と友達の間だけの秘密の話があるのに。




お父さんに虐待されてるなんて辛い話、どうしてあたしはさせちゃったんだろう。




「お前は悪くねぇよ。俺が、莉加に話していいか頼んで、こうやって話した」




あたしがもっと信じていればこんなことにはならなかったのに、


樹は優しくそう言ってくれた。




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