「しかも莉加の親離婚してて、お袋さんいねぇから相談する相手がいなかったらしくて」


「……」


「けどたまたま莉加の腕のあざに俺が気づいて、それから相談受けるようになった」


「…うん」


「体育祭の日、お前が電話した時莉加が出ただろ」




え…………樹、あのときのこと知ってたの?




「あのときも酔っぱらってる親父さんから電話が来て、家に帰りたくねぇから帰らなかったんだよ」


「……」


「俺は拓海たちと呑んでたんだけど、莉加は頼るやついねぇから一緒に帰ってやった」


「…うん」


「だから……お前が心配するようなことはねぇよ」




まさか莉加ちゃんが、お父さんに虐待されてたなんて思いもしなかった。




あんなに元気で、あたしに宣戦布告してきた莉加ちゃんが、虐待されてたなんて。




でも、樹のこと信じてよかった。


今の話だって、ほんとだったら話したくなかったと思う。




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