紫音はあまり大勢の人といることが好きじゃない。
だから今この状況も、絶対に嫌がってると思ってたのに……
「この子ね、樹のことが好きなのよ」
嫌がってるどころか、誰にも言わないと決めていた秘密をあっさりと暴露してしまった。
紫音は信頼している人にしか秘密を言わないし、ましてや、あたしの秘密なんか今まで誰1人に言ったことはなかった。
なのに、そんな紫音があたしの唯一の最大な秘密を暴露してしまった。
「ちょ、ちょっと、紫音?!と、突然、な、何言ってるの?!」
突然の暴露に焦りを隠せずカミカミのあたしを、女の子数人が目を見開いて見てる。
「だって、この中に樹のことを好きな子がいるかもしれないじゃない。だったらライバルになるんだし、先に言っといた方が後々楽かと思って」
紫音以外はみんな声が出ないくらい驚いているのか、さっきの騒がしさはどこにもない。
そんな中で、いつもは口数の少ない紫音だけがしゃべり続けた。
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