「そういえばさっき、あの学校のマドンナ?とか言われてるやつがお前らのこと探してたけど」
だけど目が合っても驚いた反応をしないから、今より前にあたしって気づいてたんだと思う。
ほんとはここは『俺の女に手出すな』って、怒り狂う場面でしょ?
それなのにあたしが大ピンチだったこともなかったかのように、樹とチャラ男はあたしの存在を無視して話し出した。
へーそう。
助けてくれないんだ。
……って、おい!
助けてよー!!!
ところが、チャラ男2人は“マドンナ”という単語を聞いた途端、
あたしから離れて、
『奈緒ちゃんごめんねー?また今度楽しいことしようねー』と言って、教室からあっさり出ていった。
………へ……?
そんなあっさり?
まぁ出ていってくれた方があたしにとっては有難いんだけど、
マドンナとやらに負けたことがちょっと悔しかったりする。
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