なら助けてはくれないだろうか。
きっと寝ていたんだと思う。
大事な睡眠を邪魔されてお怒りになってるんだと思う。
それならその怒りを生かして、このチャラ男2人を教室から追い出してはくれないだろうか。
お願いします!
眠り姫ならぬ眠り王子!
「昼寝の邪魔すんなっていつも言ってんじゃねぇかよ」
そんなあたしの願いは眠り王子に届いたのか、どうやら王子は相当ご機嫌ナナメなようで…。
そんな王子のせいか、さっきまで楽しそうに騒いでたチャラ男2人は、
固まっちゃってその場から動こうとしない。
王子は重たそうに腰を上げて、その場で立ち上がって正体を明かした。
身長は高くて、捲った袖からほどよくついた筋肉が見えてる。
寝てたからか、ワイシャツははだけていて。
ズボンは腰に履かれてる。
そして、金色………ではなく、銀色の髪の毛がキラキラしている。
「お前らも暇だな。またナンパかよ」
そう冷たく言う王子の正体は、ほんとに助けに来てほしかったあたしの大好きな人、樹だった。
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