「樹から聞いてたの、奈緒ちゃんのこと。幼なじみから彼女になったんだよね?」


「え?うん」


「写メ見ても思ったけど、やっぱり実物の方が可愛いー」




あたしは黒髪の女の子に両腕を掴まれてそう言われた。




けど、そう言う黒髪の女の子の方が目がクリッとしてて小さくて、あたしには可愛く見えた。




女の子らしくて可愛いなぁ。


あたしの周りにはこんな女の子いないから、なんかあたしと息が合いそうで嬉しい。




「名前、何て言うの?」


「あ、ごめん!名乗るの忘れてた。あたし莉加(りか)って言うの。樹と同じクラスで隣の席なんだっ」


「そうなんだぁ」


「うん。今日はどうしても奈緒ちゃんと紫音に会いたくて、樹に無理言って連れてきてもらったの」




そんなに会いたいって思ってくれてたなんて照れちゃうなぁって思いつつも、『そうなんだぁ』って言おうとしたけど、


それを莉加ちゃんの『あっ!』という驚きの声に遮られた。




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