「よぉ、樹。久しぶりー」
不良グループの中の1人が樹にそう言うと、樹は『あぁ』と笑って、その1人とこぶしをぶつけた。
「てか、その人たちは新しい学校のオトモダチ?」
「まぁ、友達っつうかクラスメイト」
奥の方にいた拓海くんが前に出てきてそう聞いたのに対してそう返事した樹に、
「クラスメイトって何だよ!俺らもう友達だろー?」
樹と一緒に来てた金髪2人の内の1人が、樹の肩を組みながらそう言った。
その人は話し方からして、こんなこと言っちゃいけないんだろうけど、ギャル男特有のチャラさが出ていた。
すると、ずっと樹に話しかけていた黒髪の女の子が、あたしの方に歩いてきた。
え?え?え?
あたし?
明らかにあたしに向かって歩いてきている黒髪の女の子は、あたしの目の前まで来ると立ち止まって、
「奈緒ちゃん、だよね?」
そう言ってニコッと笑った。
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