すごく良くしてもらったし、あたしが勝手に思ってたのかもしれないけど、仲良くさせてもらってたと思う。
だから余計に寂しい。
そんなことを思いながらも、足は動いているからあっという間に駅に着いてしまった。
すると改札口付近に明らかに容姿が不良で、見たことのある人たちが数人いた。
それは拓海くんとかで、高校が同じのあの不良グループだった。
「お、主役の登場じゃん」
不良グループの中の赤い髪の人が樹を見つけたのか、そう言った。
その赤い髪をした人は、前に放課後に拓海くんに呼び出されて告白されたときに一緒にいた人だって分かった。
だって、あたしがカラオケで歌った後に笑ったように、
あたしに気づくなり、バカにしたような顔であたしを見て鼻で『ふっ』って笑った気がした。
何よ、人をバカにしたような目で見て。
あたしが何したっていうのさ。
赤髪に迷惑かけた覚えないのに。
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