次の日の朝、あたしの方が先に目覚めた。
夜は1回も起きてないからいつこうなったのか覚えてないけど、
あたしは樹の体に抱きつき、樹はあたしを抱きしめている形になってた。
ちょ、あたし抱きしめられてる。
どうしよう。
樹の寝顔があたしの目の前にあって、すごく気持ち良さそうに寝てる。
あ、でももしかしたら、また寝たふりをしてるのかもしれない。
「樹…?」
あたしは樹の頬っぺたを人差し指で軽く突っついた。
だけど、樹は起きない。
なんだ、よかった。
今回は本当に寝てるみたいだった。
ならしばらくは寝顔を見てよう―――……とか考えてたら、樹が『ん…』と声を出した。
「んー…、朝?」
「うん」
「……つーか、この格好なに?」
片方の腕はあたしの腕枕になってるから片手で目を擦(こす)る樹。
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