するとゆっくり舌で開けられた口の間からは樹の熱い舌が入ってきて、無造作に動く。
途中苦しくなり樹のスウェットを掴んだ。
樹とのキスはなんだか好き。
苦しいけど、あたしが苦しそうにすると空気を吸えるように隙間を作ってくれてるのを知ってる。
それに、優しいから好き。
好きだってたくさん言われてるみたいだから、胸がキュンってなる。
普段は好きだって言ってくれないけど、キスされると言われてるみたいだから安心する。
キスが好きなんて変態みたいだけど、キスはお互いに気持ちを確認できるすごいスキンシップだと、あたしは思う。
………お互いの唇が離れると、いつものようにあたしは“ハァハァ”と息切れした。
そんなあたしに樹は一言、『下手くそ』と言って意地悪く笑った。
「てか、キスだけでこんななんだからラブホなんかまだまだ先だな」
さらにそう加えて、しばらくしてから樹もあたしもデートで歩いて疲れたからなのか、すぐに寝てしまった。
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