やっとのことで鍵を取り返すことができ、安堵のため息がでた。
そして昼休みの時間があと少しで終わりだと、ふと見た時計で気付き、
あたしは渡り廊下を後にすることにした。
………はずだったのに、
「ねぇ、奈緒ちゃん」
渡り廊下の壁に寄りかかってしゃがんでる、金より明るい銀色の髪をした男の子に話し掛けられた。
「え?」
「あれ?名前奈緒だよね?」
「あ、うん……そうだよ……」
何であたし呼び止められたの?
かっこいいというよりは、かわいいという表現の方が似合う銀髪の男の子。
話したこともないし、見たことも………たぶんない。
それなのにこの男の子は、下からあたしをニコニコしながら見つめてきて………。
「初めて見た時から可愛いなぁって思ってたんだよね」
「………」
「奈緒ちゃんのこと」
「………」
「………」
「えぇえええ?!!」
とんでもないことを言い出した。
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