「じゃあ死ぬまでチューなしな」
でも誤解の解き方をどうやら間違えたらしいあたしは、
更なる誤解を生んだ。
「死ぬまで?!」
「あぁ。チューしなくても生きていけんだろ?じゃあめんどくせぇし、しなくていいだろ」
「それはやだ!」
「は?」
うん。
樹が『は?』ってなるのもしょうがない。
でも死ぬまでチューしないのは耐えられないもん!
「結局欲求不満なんじゃねぇかよ」
「それも違うもん」
「ラブホ行きてぇって言ってたの誰だっけ?」
「うっ…」
ほんとにこの男は、あたしの触れてほしくない話を端から触れていく。
まぁ、調子に乗ってしゃべってたあたしが悪いんだけどね?
最初から言わなかったらよかったじゃんって話なんだけどね?
つい、こう樹が寝てるって思うと、口がペラペラと動いちゃったんだもん。
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