だからか、あたしは思ってもないことを暴走して勝手に口にしてた。
「ラブホってラブホテルでしょ?ラブっていうくらいだから、きっと中はピンクだらけなのかなぁ?」
「……」
「あ、もしかして、樹は入ったことあるの?もしそうならあたし妬いちゃうんだけどなぁ」
「……」
「だからこれからはラブホにはあたしとしか入らないで…………って、きゃっ!」
なんでもかんでも言っちゃったあたしがバカだった。
ありもしないことを何にも考えないで言っちゃったあたしがバカだった。
調子に乗った自分を恨んだ。
おしゃべりな自分の口を恨んだ。
普段言えないようなことを言いたくなったことを後悔した。
「そういえばあいつら言ってなかったっけ?俺が夜になるとオオカミになるって」
だって、樹は寝てなかった。
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