けど、寝ちゃったなら寝ちゃったで良かったかもしれない。




しんみりした空気になったら、きっと弱音を吐いちゃうだろうし、もしかしたら泣いてた。




だったらこうやって寝ててくれた方が、明日笑顔で元気に見送れるからいいのかもしれない。




それに、チラッと壁を向いてる樹の寝顔を見ると、気持ち良さそうに寝てるのが分かる。




起こしたら可哀想。





……でも、ここであたしのいたずら心がうずき出して、普段言えないようなことを言いたくなった。




「さっきの話の続きだけどね?」


「……」


「やっぱり樹があたしを襲うなんてありえないよね。だって、樹そんな人じゃないもん」


「……」


「しかもラブホなんてとんでもないよね。どう考えてもありえないよね」


「……」


「別にね?あたしは行ってもいいんだよ?ていうか、行ってみたいなぁって最近思ってたんだよね」


「……」




もちろん、樹からの返事はない。




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