樹は結局あたしの家に泊まることになった。
『いい?奈緒に変なことしたらあたしが許さないからね』
お母さんはそう言って、樹があたしの部屋で寝ることを許してくれた。
お風呂はあたしの次に樹が入って、歯ブラシはいつか旅行に行ったときにホテルから持ってきた使ってない歯ブラシを使った。
お風呂上がりの樹はなんだか一段とかっこよくて、つい見いってしまった。
樹は寝るときのスウェットを樹のお母さんが持ってきてくれたらしく、それを着た。
「やべぇ、疲れた」
「あたしも疲れた」
今日は放課後ずっと繁華街を歩いていたから、足が痛くなってしまった。
病み上がりだからか、少し体もだるく感じる。
「でも、あの叫んだ2人の言ったことありえないよね」
「……」
樹から返事が来ない。
ベッドに横になる樹はほんとに疲れてたのか、
あたしの方を向かずに壁の方を向いて寝てしまったみたいだった。
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