周りの不良たちは『ジャイ○ンかよ!!』って突っ込んだり、ギャハハハとお腹を抱えて笑っている。
………はぁ……。
笑ってるなら助けてほしいよ。
そんなことを思い、小さくため息をつくと、突然あたしの顔の前に鍵が現れた。
………へ?
「自転車の鍵」
樹がそう言ってあたしの顔の前に鍵を差し出してきていて、
どうやらあたしに鍵を返してくれる気になったらしい。
「…あ、うん。ありがとう」
だから有り難く鍵を受け取ろうとしたら、
樹は鍵をひょいとあたしが届かないギリギリのところまで上にあげた。
「ちょっと!返してくれるんじゃないの?!」
「あぁ、返す。けど条件がある」
「条件?」
「明日の朝には返すからさ、今日の夜貸してくんねぇ?」
条件って言ったからどんな難しい条件かと思ったけど、
別にあたしは夜自転車を使わないから樹が夜自転車を使ってようが関係なく………。
「分かったから。だから返して!」
条件を簡単にのんだ。
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