どう見ても高校生には見えないけど若くて、だけど近づいちゃいけないオーラが出てる人もいた。




そんな人も樹を見ると、


『よぉ、樹。彼女とデート中かよ。羨ましいなぁ』と声をかけられていた。




樹の友達は不良ばっかって知ってたけど、


こんなに学校以外にトモダチがいて、あんなに怖い人とも知り合いだなんて知らなかった。




繁華街を歩いてても、知らなかった樹を知ることができた。




幼なじみで幼稚園から高校までずっと一緒だったけど、



中学のときに空いた少しの距離で、こんなに知らない樹が増えてたんだって思うと、少し寂しくなった。




樹はなんだかんだ、あたしが知らない世界で過ごしてきてたのかもしれない。




けど、まだまだ樹の知らないところがあるんだとしても、あたしはそんなことでへこたれない。




そんなことでへこたれるようなあたしじゃない。




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